神社や寺院の石造物の修繕できます。
神社や寺院には多くの石造物がございます。
例えば、水鉢、参道、石積み、または石像など。歴史的に残していくものは石材であることがほとんどです。
それは耐久性があり、変わらずそこにあるからです。鎌倉時代に彫られた文様が今も残り伝え続けられています。
耐久性はあれど外にあるものですので、欠けたり傷ついたりすることも時代とともにやはりあります。
今回は、寺院様の天水鉢の修繕を行いました。
石造物修繕依頼の理由
天災が原因で御寺の瓦の多くが落下し、左右対になっている天水鉢の左側にあった天水鉢に直撃。
そのため天水鉢の数か所(写真は大きな欠けの一例)に欠けが発生しました。
どのように直すのか。
石は、一度欠けてしまったものは元通りには戻せません。
欠けをどのようにわからなくするか、どのようにかっこよく変形させるかです。
持ち帰らず現場で修繕できないかという要望もあったため、現場用の道具でいかに感じよく仕上げるかが課題です。
天水鉢本体は丸みを持たせて新しい面取りという感じにしようとご提案。
下の囲いは、縦に欠けが深いので、大きな面取り(大面取りといいます)を施すことにしました。
ただ欠けた左側の天水鉢だけ修繕すると左右対にならないので、右も合わせるということになりました。
神社や寺院の石造物はやはり格好が大事ですので、手間はかかっても合わせることが必要です。
作業風景
ちょっとした動画ですが、
こちらをご覧ください。
どのように修繕されたか。
欠けはわからなくなり、体裁よく仕上がったのではないでしょうか。
まとめ
傷ついた石造物は元通りに戻すことはできませんが、欠けの状況に合わせて修繕することが可能です。
※傷つきようによっては修復できない場合もあります。
手間はかかりますが、新たな形となって生まれ変わり、これからも歴史を刻んでいきます。