通夜や葬儀に参列する際に持参する香典袋の表書きは、
なぜ薄墨で書くのでしょうか?
昔の日本では、文字を書く際は硯で墨を擦って筆で書いていましたよね。
はっきり文字が読み取れるような濃さに墨を擦るには、
意外に時間がかかります。
薄墨は、訃報に際して急いで駆け付けたために、
じっくり墨を擦る時間がなかった、ということを
表しているとされています。他にも、
悲しみのあまり涙が硯に落ちて墨が薄くなってしまった、
という意味もあるようです。そのため、薄墨で表書きを書くのは
通夜や葬儀の際のみで、あらかじめ日程の決まっている
四十九日以降は、通常の濃い墨を使用します。