日本を代表する文学作品「源氏物語」の作者 紫式部は、
平安時代中期の歌人です。
その墓所は京都市にありますが、
隣には平安初期の文人・歌人である小野篁(おののたかむら)のお墓があります。
活躍した時代が全く違う二人のお墓は、なぜ並んで建てられているのでしょう?
実は紫式部は、貴族たちの恋愛模様を赤裸々に描いた「源氏物語」を書いたことで、
地獄に落ちたと言われています。
一方の篁は、とても優れた人物で、
閻魔大王の補佐役を務めていたという逸話も残っています。
後世の「源氏物語」愛読者たちは、紫式部を地獄から救おうと、
閻魔大王にゆかりのある篁と共に祀って供養したのです。
祈りは通じ、篁のとりなしによって紫式部は地獄から救われたと信じられています。