「お墓を元通りに直してほしい。」石材店はただ直すのではなく、先のことを考えて修復します。
昭和後期に建てられたお墓。
![](https://mason-makoto.com/wp-content/uploads/2018/04/KIMG1290-768x1024.jpg)
この頃のお墓は、磨いてつるっとした墓石が主流となっています。
施工の方法は、セメントを水で溶いたノロ付の工法がほとんどです。
石の見えない小さな穴にセメントが浸透し、そのおかげで僅かに接着しています。
※その接着能力は、ハンマーで叩けば簡単にはずれてしまうくらいの接着能力です。
上のお墓は、経年劣化で自然に接着が剥がれてしまったケースです。
こういう事例は日本全国あると思います。
セメントで固めてるのに自然に剥がれるの?どうして?
先ほどにも書かせていただいたように、石材の見えない小さな穴にセメントが入るため、
わずかな接着能力が出ています。
しかし、ハンマーで叩けば簡単にはずれます。施工が新しくても同じです。
では、接着能力が弱くても固めているのに、何故自然に剥がれるのでしょうか?
それは年月が経ち、セメントの内部や隙間に水が浸入し、
凍てなどの水の膨張により、自然に剥がれるのです。
自然に剥がれる理由は、他にもあると思います。
地震や気温、セメントの量も影響していると思います。
昭和後期のノロ付の墓石は、このような理由で、
上のようなお困り事が発生します。
安全性を考えて、外れた部材を安定したところに置いてしまうと、
ノロで接着した痕がはっきりと出てしまいます。
これではみとみなく、恥ずかしいおもいをされるのです。
自分で直すことはできる?
たまに自分で直された形跡を目にします。
ホームセンターで強力なボンドを購入して、
石を接着されていますが、私たちが直す時に、形跡は発見するくらいなので、
しっかりと直せていないというのが現状です。
理由は様々です。ボンドの使い方が間違っていたり、
ボンドの種類が違ったり。
結論として短期間的には直すことができますが、それをどう考えるかだと思います。
外れたらまたボンドでつけるというのもおすすめできません。
前のボンドをしっかり処理しないと、見栄えも悪くなりますし、
接着能力も半減します。
大切なお墓、皆さんはどのように直したいですか。
ちゃんとした石材店は、先のことを考えて修復します。
石材店ならばプロならば、しっかりと直さなければなりません。
今後、簡単に外れないように直すのが石材店の仕事です。
現代に合った工法で直していきます。
耐震ボンドを使います。
耐震ボンドを使うだけで、ほぼほぼ外れないのですが、
水の力(自然の力)はあなどれません。
接着面に水がまわらないように、しっかりと目地をします。
目地とは、石と石の接合部の間をノロやシーリングで詰めることです。
そのようにして、接着面に水がまわらないようにします。
別の写真ですがご参考に。
下の写真、目地が出来ていません。石と石の接合部に隙間ができています。
シーリングで接合部の間を詰めて、隙間に水がまわらないようにしました。これが目地です。
このようにちゃんとした石材店は、今後のことを考えて作業します。
※一般の方が目地をできるのか?なかなか難しいのではないでしょうか。
きれいに余分なシーリングをふき取れないと思います。
そのため、見栄えが悪くなってしまいます。
見たらよくわかり目立ちます。あとから後悔されることがよくあります。
施工完了後
今回は、香炉(家紋の入った部材)と花立を接着し直しました。
元の位置に戻すので、何がどう違っているかわからないと思いますが、
上記の説明のように、作業しております。
また、今回はプチリフォームということで、
玉砂利を新しいものに交換させていただきました。
玉砂利を変えるだけで、きれいさは格段に上がります。
また、ローソク立を防風型に交換。
「これで火が風で消えなくなるわ。」と喜んでいただきました。
ありがとうございました。
お墓でのお困り事がございましたら、何なりとご相談ください。
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