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「お墓を元通りに直してほしい。」石材店はただ直すのではなく、先のことを考えて修復します。

昭和後期に建てられたお墓。



この頃のお墓は、磨いてつるっとした墓石が主流となっています。

施工の方法は、セメントを水で溶いたノロ付の工法がほとんどです。

石の見えない小さな穴にセメントが浸透し、そのおかげで僅かに接着しています。

※その接着能力は、ハンマーで叩けば簡単にはずれてしまうくらいの接着能力です。

上のお墓は、経年劣化で自然に接着が剥がれてしまったケースです。

こういう事例は日本全国あると思います。

 

Contents

セメントで固めてるのに自然に剥がれるの?どうして?

先ほどにも書かせていただいたように、石材の見えない小さな穴にセメントが入るため、

わずかな接着能力が出ています。

しかし、ハンマーで叩けば簡単にはずれます。施工が新しくても同じです。

では、接着能力が弱くても固めているのに、何故自然に剥がれるのでしょうか?

それは年月が経ち、セメントの内部や隙間に水が浸入し、

凍てなどの水の膨張により、自然に剥がれるのです。

自然に剥がれる理由は、他にもあると思います。

地震や気温、セメントの量も影響していると思います。

 

昭和後期のノロ付の墓石は、このような理由で、

上のようなお困り事が発生します。

安全性を考えて、外れた部材を安定したところに置いてしまうと、

ノロで接着した痕がはっきりと出てしまいます。

これではみとみなく、恥ずかしいおもいをされるのです。

 

自分で直すことはできる?

たまに自分で直された形跡を目にします。

ホームセンターで強力なボンドを購入して、

石を接着されていますが、私たちが直す時に、形跡は発見するくらいなので、

しっかりと直せていないというのが現状です。

理由は様々です。ボンドの使い方が間違っていたり、

ボンドの種類が違ったり。

 

結論として短期間的には直すことができますが、それをどう考えるかだと思います。

外れたらまたボンドでつけるというのもおすすめできません。

前のボンドをしっかり処理しないと、見栄えも悪くなりますし、

接着能力も半減します。

大切なお墓、皆さんはどのように直したいですか。

 

ちゃんとした石材店は、先のことを考えて修復します。

石材店ならばプロならば、しっかりと直さなければなりません。

今後、簡単に外れないように直すのが石材店の仕事です。

現代に合った工法で直していきます。

耐震ボンドを使います。

耐震ボンドを使うだけで、ほぼほぼ外れないのですが、

水の力(自然の力)はあなどれません。

接着面に水がまわらないように、しっかりと目地をします。

目地とは、石と石の接合部の間をノロやシーリングで詰めることです。

そのようにして、接着面に水がまわらないようにします。

 

別の写真ですがご参考に。

下の写真、目地が出来ていません。石と石の接合部に隙間ができています。



シーリングで接合部の間を詰めて、隙間に水がまわらないようにしました。これが目地です。



このようにちゃんとした石材店は、今後のことを考えて作業します。

※一般の方が目地をできるのか?なかなか難しいのではないでしょうか。

きれいに余分なシーリングをふき取れないと思います。

そのため、見栄えが悪くなってしまいます。

見たらよくわかり目立ちます。あとから後悔されることがよくあります。

 

施工完了後



今回は、香炉(家紋の入った部材)と花立を接着し直しました。

元の位置に戻すので、何がどう違っているかわからないと思いますが、

上記の説明のように、作業しております。

また、今回はプチリフォームということで、

玉砂利を新しいものに交換させていただきました。

玉砂利を変えるだけで、きれいさは格段に上がります。

また、ローソク立を防風型に交換。

「これで火が風で消えなくなるわ。」と喜んでいただきました。

 

ありがとうございました。

お墓でのお困り事がございましたら、何なりとご相談ください。

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