滋賀県東近江市の石材店「ストーンメーソン真」の、丈夫なお墓づくり。その1
丈夫なお墓づくりの最初は、墓石の土台となる基礎工事。
基礎工事は、石材店によって千差万別。
また、地域によっても違います。
しかし、この地域には、この地域に合った基礎工事を行います。
当店のこの基礎工事の仕様になったのは、
先代から教え伝えられた方法プラス、無料点検で知り得た情報を分析して、
この方法を採るようになりました。
また、無料点検は毎年していますので、何か気づくことがあれば、さらに進化していきます。
この結果、当地域には、この基礎工事が一番良いと考えています。
(標準工事です。もし、さらに地盤が悪ければ、追加作業を致します。)
丈夫なお墓造りのための基礎工事
①工事前。
②敷地を掘削。
約30㎝掘削します。なぜ、30cmなのか?
強固な地盤を作るためです。
この地域では、だいたいの石材店さんは、約10㎝のコンクリートを打設します。
当店も約10㎝の生コンを打設します。同じです。
しかし、その下の地盤が弱いと、コンクリートごと傾いてしまうのです。
それを防ぐには、コンクリートの下の土も改良しなくてはいけません。
だから、30㎝掘る必要があるのです。
また、(一社)日本石材産協業界のテキストにもこの工法が掲載されています。
実は、約30㎝掘って行う基礎工事は、石材店にとって当たり前ではないのです。
お墓の丈夫さを大切に考えておられる石材店さんは、このように基礎工事されています。
当店としては、先代からの教え、点検の結果を反映してこの基礎工事を行っています。
③栗石を敷き詰める。
なぜ栗石を敷き詰めるのか?
強固な地盤を作るためです。石は硬いので、その硬さゆえ、
石が圧縮されることはありません。
また、栗石は、極力大きなものを使います。
大きな石だと、土と接触する面積も大きく、面で支えることができると考えるからです。
サーフィンと同じ原理です。
小さなサーフィンだと、その上に立つのは、難しいですが、
大きなサーフィンだと、安定感が出るので、立ちやすいんです。
また、当然大きなサーフィンの方が、水に対する接地面が大きいので、
水に沈むことなく立つことができます。
この大きな栗石が、この原理を使って、より強固な地盤を作ってくれるのです。
④砕石を敷均し、ランマーで転圧。
大きな栗石が動かないように、砕石を敷き詰めます。
下が動くということは、いずれベース(基礎)に狂いが生じてしまいます。
砕石の敷詰めは、大切な工程です。
そして、ランマー(写真左のオレンジ色の機械)にて転圧。
栗石と砕石をしっかりつき固めて、動かない丈夫な地盤を作ります。
⑤コンクリート打設。
必ず鉄筋を入れて生コンを打設します。
コンクリートは引っ張られる力に弱いので、
必ず鉄筋を入れて強度を増すことが重要です。
鉄筋がないのは、骨がないのと同じです。
実はお客様には一切見えないこの基礎工事。
この工事がほんとうに重要なのです。
見た目が全く同じでも、石材店によって見積価格が違う。
高い方の石材店は、多く利益をとっているのか?
そうではなく、基礎工事等に違いがあるのかもしれません。
お墓の形や見積価格だけでなく、工事の内容も第一に考えて、
選ぶ必要があるんです。工事の違いは数年後にじわじわと現れてきます。
先祖代々継いでいくお墓。
大切なものですので、丈夫なお墓を建てていただきたいと思います。
記:石井 眞澄