以前は土葬をされてきた墓地。
最近は、火葬へと変わったので、火葬されたお骨を土に還されていました。
今回、右上にある先祖から守られてきたお墓を利用して、
代々墓をを作ることとなりました。また、今後活用しやすいように、
現代のように、納骨しやすいお墓を作るように依頼されました。
とりあえずは、区画内を撤去し、地盤を良くするために土を改良します。まずは30センチ程度、掘削。
そして、地盤改良。大きな栗石を使って地盤を支持します。
当店は、大きな栗石を使用します。それは、大きな石を使う方が
土と石が接する面積が大きいので、より地盤を支持することができるからです。
積もった雪に靴で入ると、ずぼっと沈んでしまいます。
しかし、スノーボードを装着して入ったらどうでしょう。
雪の上に立つことができます。それはボードという広い面で
人間を支えることができるからです。その原理を使っています。
この大きな石が動かないように、砕石を入れ、
転圧機でこれらを締め固めていき、強固な地盤を作っていきます。
墓石は、けっこうな重量物です。大きさ等にもよりますが、1トン~3トン、それ以上になることもあります。
そのために、この作業は必要不可欠なものなのです。
鉄筋入りで、コンクリートを打設していきます。
コンクリートが固まるまで、十分に養生します。
実はこのコンクリートを打設した広さは、巻石(区画)の大きさより、
約20センチ程度広いめに、コンクリートを打設しています。
なぜか?先ほどのスノーボードの原理をまた使っています。
広い面で支えた方が沈みにくい、傾きにくいからです。
そのようなことも考慮しつつ、工事を行っています。
石材の据付です。石の継ぎ目は、耐震ボンドとステンレス製の金具でしっかりと固定していきます。
石材の固定には、ステンレスを使うことがとても大事です。
なぜか?ステンレスは錆びないからです。
スチール製などでは錆びます。錆びるとその成分が石に浸透し、
石材にサビが移り、石材の変色に繋がります。
サビの変色は、石にとってとても厄介なのです。
固定できれば、どんな素材でもいいわけではないのです。
巻石(区画)の中も鉄筋入りのコンクリートを打設し、
地盤を強固にします。また、巻石の中をコンクリートにすることによって、
雑草対策にもなっています。
4か所砂利の部分がありますが、それは排水のためです。
この箇所から、水が抜くことができ、区画の中が水浸しになることはありません。
また、木の型枠の所は、納骨場所となります。
御骨を納める場所ですので、土でないといけません。
(御骨が土に還ってもらう必要があるので。)
既存のお墓と、その他石材、砂利を据付けて完成です。
墓石も今後の地震のことを考えて、しっかりと耐震ボンドを使用して据付けてあります。
今までの墓石も、きれいに洗浄させていただいて据付けさせてもらいました。
工事前の写真と比べてみてください。白さが違うと思います。
また、題名にもあるように、納骨しやすいようにさせていただきました。
今までのお墓にもう一個台石を設けて、その下に納骨できるようにしてあります。
現代のお墓は、ほとんどのお墓が前置き(経机や供物台等)を退けて、そこから納骨します。
今回もその方式に変更しました。
上記写真のステンレス製のローソク立、線香立が付いた部材があります。
それを退けると、先ほどの納骨スペース(木の型枠の場所)につながっているのです。
納骨スペースも綺麗な赤土と御影石を使ってきれいに仕上げています。
できる場合とできない場合があるのですが、
今あるものを大切にして、使いやすく変化させる。
日本人の昔ながらの良い一面があらわれた仕事でした。
ありがとうございました。
※墓石(石の現状や彫り物等)の状況により、できる場合とできない場合があります。
現物を見て判断、相談、打ち合わせが必要です。ぜひお問い合わせください。