先日は、石の等級の違い、加工工場の違いによって、値段に差が生じると説明しました。
もう一つ、見た目は同じでも、石材店によって値段が変わる理由があります。
それは、
工事の内容の違いです。
みなさんは、工事の内容を細かく説明を受けた、もしくは、聞いたことがありますでしょうか?
当店では、施工アルバムをお見せして、当店の基本となる施工方法をご説明させていただいております。
見た目は同じでも、施工方法が石材店によって違うのです。
その違いによって、場合によっては、大事なお墓に欠陥が生じることがあります。
当店では、最低3日は、工事に日数がかかります。生コンの養生期間を含めると、半月は最低でもかかります。
敷地の大きい墓地、台座が多い場合などの場合、半月以上かかります。
少なくはなりましたが、一日で墓石を建てられる石屋さんもございます。
しかし当店では、1日で建てることは考えておりません。
コンクリートがしっかり固まるのを待つのも、仕事の一つだと考えています。
また、基礎工事の違いによっても、値段の違いと強度の違いが生まれます。
当店では、基本的には、先代の時から30cmは土を掘り、土壌を強化して、基礎工事をしています。
掘ってみて地盤が悪い場合には、さらに掘ったり、地盤を改良したりも行います。
日本石材産業協会(以下、石産協)のテキストにも掲載されている方法です。
家と同じように、地盤調査を行うことができるといいのですが、すぐ近くに隣のお墓があるなどの理由で
しっかりとした地盤改良ができないということが現実です。
その現実を踏まえて、少しでも傾きにくいお墓を造るために、当店では、石産協の方法に基づいて基礎工事しています。
30㎝掘るには、相当手間がかかります。
15㎝掘るのとでは、差が出て当然です。(※掘る深さは、石材店様によって違いがあります。)
どちらの深さにしても、建立後すぐに変化があるわけではございませんが、
地盤によっては、数年で傾き具合に大きな変化がある場合もございます。
お墓は、子子孫孫守っていく大事なものです。
家よりも長いスパンで守っていくものです。
少しでも丈夫なお墓を選ぶということを、おすすめしております。
当店の施工方法
工事前。
掘削。
基礎工事のため、約30㎝掘りました。日本石材産業協会のテキストと
先代の工法を大事にして、工事を進めています。
地盤強化。
地盤強化。
地盤強化のため、栗石(12㎝くらいの大きさ)と砕石を入れて、地盤を強化します。
硬い石を土の代わりに入れることにより、強度を高めます。
さらに、ランマーを使い、栗石と砕石を突き固めることにより、さらに強度を高めます。
配筋し、生コン打設。
耐震ボンドを使用。
耐震金具を使用。
巻石の接合部は、耐震ボンドと耐震金具を両方使い、接合部のはがれを防ぎます。
耐震ボンドは、石に影響の少ないものを使用したり、
耐震金具も、錆びないようにステンレス製のものを使用して、
こだわりをもって消耗品を選んでおります。
生コン打設。
巻石の中も、基礎工事と同じ工法で、生コンを打設しました。
不倒を使用。
お墓本体は、耐震ボンドより強い「不倒」という工法を使い、工事しました。
日本石材産協協会主催の耐震実験震度7をクリアした工法です。