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ちょっとした石材工事もさせていただきます②!民家の石橋修復。

古い集落の民家には、水路を渡るための石橋がかけられています。

その石橋の一部が壊れたので、修理のご依頼をいただきました。

ありがとうございます。

 

工事前



実際には、この石橋は、7枚の石を使ってかけられていました。

一番左が壊れて歯抜けになっています。

その部分を新たな石材を使って修復します。

 

石橋が壊れた原因

壊れた原因を突き止めなければ、ちゃんとした修復はできません。

今回のこの石橋はなぜ壊れたのでしょうか?

それは、壊れた石材を見てすぐに判明しました。

(写真には壊れた石材は写っておりません。危険なので、問合せ時に即時撤去しました。)

使われていた石材にキズがあったからです。

キズといっても、外傷性のものではなく、

元々その石材にふくまれていたキズです。

長年の経年劣化や使用時の衝撃(車の乗り入れ等)により、

耐えきれなくなって壊れたと考えられます。

その他の石材も点検しました。致命的な傷もなく今後も安心して使っていただけます。

 

どのような石材で修復するのか

今回の事例の場合は、1つの石材だけが壊れたので、

問題ない石材と同じような質感のもので修復した方がよいと判断しました。

問題のない石材は、業界用語でいうと「ノミ切り仕上」という技法で仕上げてあります。

しかし、新しく「ノミ切り仕上」で造っても同じ質感にならないのです。

なぜかというと、問題のない石材は、長年の使用(摩擦)によって凹凸が滑らかになっています。

しかし、新しく造ると凸凹がはっきり出てしまいます。

同じ仕上げにしても、質感が変わってしまうのです。

そうなると、古材を探すしかありません。

古材を探すのは、かなりたいへんです。古材は、業界内でも在庫が少ないです。

その少ないなかから材料を探すのですが、ちょうどよい寸法の石材がなかったり、

色目が明らかに違っていたりと結構な時間と労力を要します。

今回は、小さくて使用量が少ないので、なんとか良い材料を見つけることができました。

(もちろんキズのない古材を選びます。)

 

工事後



修復したあと、石全体を洗浄して完成です。

なぜ、洗浄するかというと、ちゃんとした意味があるのです。

問題のない石材と古材の汚れ具合が異なるからです。

修復した箇所が、だれが見てもわかります。

これってなんか恥ずかしいですよね。お客様にとっても同じだと思います。

家の壁紙も修復箇所が目立つとなんか恥ずかしいじゃないですか。

それと同じです。

だから、石全体をきれいに洗浄しました。

お客様は、「えっ!洗ってもくれはったんか!」と驚かれましたが、

実は最初から、上記の理由で洗浄するつもりでしたので、

お気遣いなさらないように。

ありがとうございました。

 





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