滋賀県東近江市の寺院にて。石貼りの種類の一つ、「四半貼り」。手間と高度な技術が必要ですが、社寺建築の石工事では値打ちのある石貼りです。
石貼り工事の種類の一つに「四半貼り」があります。
「四半貼り」とは。
どのような石の貼り方かというと、このような貼り方です。
正方形の板石を斜め45度に貼っていく工法です。
かっこよく貼っていくには、上の写真のように、
隅角が半分の三角形におさまるように仕上げます。
この貼り方、実はかなり難しいんです。
「四半貼り」、なぜ手間と高度な技術が必要なのか?
・上の写真のように、隅角に半分の三角形をもっていくために、石を正確に据える必要がある。
・メジ(石と石との間)が、右斜めと左斜めの2本あり、この2本を綺麗に通す必要がある。
・板石の寸法と直角がしっかり出ていないと、ずれが生じて、上手に貼ることができない。
・45度の角を欠かすリスクが高い。
・1枚1枚慎重に貼っていくため、他の貼り方よりも手間がかかる。
・目地が他の貼り方より多いため、目地詰めの作業も時間がかかる。
等々
上記の通り、かなりの技術と正確な施工と手間が必要です。
広い面積になればなるほど、難易度は上がります。
古い社寺でも、四半貼りをされているところは少ないです。
昔から職人泣かせの貼り方なのです。
もしこの貼り方を見られたら、じっくりと見ていただきたいと思います。
当店の作業風景