庵治石の歴史
庵治石には古い歴史や実績があり、美しさや力強さに魅了されたから。庵治石に関する最古の記録は、京都にある石清水八幡宮の「建武回禄記」にあります。この中に「暦応2年、京都男山の石清水八幡宮の宝殿、拝殿などの再建のため、新しく切り石を据え付けた。その石材は前例によって讃岐の鴨部から運んできた」という記述が見つかっています。”讃岐の鴨部”とは、現在のさぬき市志度町鴨部のことで、庵治町と牟礼町の丁場のすぐ東側の地域です。暦応2年とは西暦にして1339年です。ちょうど室町時代の初期にあたりますが、”前例によって”という箇所が気になります。いろんな文献や歴史をたどって推測するに、庵治の石が京都に運ばれて石材として使用され始めたのはおそらく平安時代の末期ではないかと言われています。
江戸時代には讃岐国(現在の香川県)を領有していた高松藩の省令によって御用丁場とされました。いわば由緒正しい採掘場です。高松藩は庵治石を建築材や灯籠などに使用したといわれています。また、高松城や讃岐東照宮屋島神社の石材としても使われたことがあったため、庵治石は御用石とも呼ばれていました。
庵治の石職人にインタビューしてみました
お墓を大事に考えるために
提供元:株式会社オオクボエンタープライズ
その他に庵治石が使われた建造物は、古いところでは、明治時代の旧香川県庁や皇居のご造営にも、実に多量の庵治石が使われたといわれています。また、日本三大古湯のの1つと称される松山市の道後温泉では、明治32年に皇室専用の御湯殿「又新殿」が竣工されら際に、庵治石を使った湯釜と湯槽がつくられたことも有名です。
お墓を大事に考えている人、歴史のある家、寺院様、神社様等には、選ぶものにも歴史や美しさ、力強さ、実績を求めたくなります。それは、お墓さんはその家、寺院、神社を照らし合わせる鏡だから。また、大切なものだからです。
その他の有名な庵治石使用例
カナダ大使館内、六本木ヒルズ内、東京ドーム、ラクーア露天風呂、
長島スパーランドの雪見灯篭、高橋尚子金メダル記念碑、新首相官邸 等
庵治石について
古くから伝わる歴史と想い、感謝、伝承を込めた最高級石材
上記の庵治石の歴史に加え、当店のお付き合いのある庵治の石職人さん達は「墓石」のことを「お墓さん」と呼びます。それは、大事な仏様やご先祖様を祀るもの感謝するものであることを本当によく理解されてますし(ただの商品や製品ではないということ)、お墓さんのおかげで今の私たちがあると感謝しておられるからです。庵治石のお墓さんは、選び抜かれた素材とたくさんの職人の手によって、世界に類のない一番美しいお墓に仕上がります。その裏には、汗、こだわり、鋭い目利き、慎重さ、日々の鍛錬、誇り、庵治石というブランド、次世代への伝承などたくさん想いや技術が込められたお墓さんなのです。
希少性と高い品質
提供元:株式会社オオクボエンタープライズ
庵治石はキズがとても多い石材であり、ナデ(均一な石目ではなく流れている綺麗ではない石目)も出るために、大きな原石を採ることが非常に困難な石材です。また、自然の物なので採れた原石によっても石目や色目が変わります。ですので、1組のお墓さんにするには、石の目合わせや色目合わせは非常に難しくなります。しかし、昔から庵治石に慣れ親しんだ地元の職人だからこそ、最良の1組のお墓さんを造りだすことができます。また、その職人感は若い職人にも引き継がれるようにされています。見えるキズやナデを省いたうえで、目合わせ、色合わせを高い精度で行い、組み立てて検品されています。最終的に最高級のお墓さんとしてお施主様に引き渡すことができる量は、ごく僅かなものとなってしまうのです。
美しさ
庵治石の美しさの魅力は大きく分けて二つあります。
1つは、庵治石だけで見ることができるかすり模様です。一般的には「斑(ふ)が浮く」と言われています。このかすり模様は青みがかった魅力的な模様で、四季を通じてさまざまな表情を見せてくれる特徴があります。その中でも、優しい日差しに照らされて一際青味を増す春の季節は、まさに別格の美しさを出してくれます。見る人や触れる人の心をおだやかにしてくれるような、実に深みのある透明感が楽しめます。次のような言い伝えが庵治石の地元では残されています。「かの源平合戦で有名な屋島の桜が吹雪となり、庵治石を包んで斑に姿を変え、美しく咲いている」と。また、現在でも化学的に「なぜ斑が浮くのか?」は解明されておらず、神秘的で魅力的な美しさをもつ石材といえます。
2つ目は、磨けば磨くほど輝きが際立つ石肌(表面)です。磨くことによって石の表面に二重のかすり模様が表情豊かに現れます。まさに幻想的といってもよい美しさです。これは、庵治石を構成している長石、石英、雲母などの鉱物の結晶が小さく、かつバランスの良さにも非常に優れているためです。だからこそ、庵治石は独特の風格や存在感のある佇まいを見せてくれるようになります。このような美しさに秀でた特徴が、古くから庵治石が墓石材として重宝されている所以です。
耐久性
庵治石は、墓石だけでなく、社寺仏閣の建材などとしても幅広い地域で使われています。それは、「庵治石の石質が硬さに優れており耐久性に秀でている」、また、「石の組織自体が非常に締まっていることから他の花崗岩に比べてより細かな細工が施せる」ことなどの様々な特質が多くの方に認められているからです。その硬さは、石英のかたまりである水晶と同レベルであると言われています。
また、職人からも「庵治石は他の石と比べると、硬くてノミ(石材加工の道具)が立ちにくい。」と言われています。その石の硬さが耐久性に繋がっているのです。お墓さんには文字を彫ったり、細かな細工を施したりして完成させます。文字や細工によっては傷んでしまいやすい箇所がどうしても発生します。しかし、庵治石特有の石の組織の締まりのおかげで他の花崗岩と比べると、庵治石のお墓さんは美しさが保たれているものが多いと言えます。また、庵治石の緻密さや硬さが、経年変化(ツヤの減少など)に対する強さ、つまりは耐久性へとつながっています。庵治石は、美しさと耐久性を兼ね備えた稀に見る銘石だと感じています。
当店の扱う庵治石には人のぬくもりがあります!
提供元:株式会社オオクボエンタープライズ
当店の庵治石のお墓さんの仕入れ先は特に庵治石が大好き。新たな原石が出たと聞くとすぐに丁場に足を向けるほど。また、お墓さんを心から愛しています。お墓さんを愛しているからこそ、皆様のお墓さんを一つ一つ丁寧に作られています。そんな心の優しい職人さんがお客様(エンドユーザー)の気持ちになってお墓さんを造ります。当店の仕入れ先は何かあるとすぐに連絡をくれます。それはみんなの安心のため。限りある今ある庵治石から一番ベストなものを作るために、当店と話し合い加工し良いものをお届けできるように行動されています。納得のいく逸品は仕入先、当店、お客様、ご先祖様の安心につながります。